世の中小沢一派の処分問題で揺れているような報道が目立つ。民主党を解散に追い込むためには、必要な一手であることに間違いはない。しかし、「社会保障と税の一体改革法案」を衆院で賛成した自民党・公明党は悪党である。三党合意という裏取引を材料に小沢一派を追い出し、民主党を少数政党にする。うまくいけば解散とでも考えているのか。

 

ここで問題なのは、参院で「消費増税法案」を可決してしまうことだ。自民党は修正協議で景気条項など安全策を取り、直ちには増税が行われないようにしたと説明しているが、背に腹が変えられない事態となれば発動可能な危険な「消費増税法案」が人質に取られている。次の政権が自民党・公明党かは知らぬが、黙って「消費増税」ができるカードは与党となった政党には魅力だ。国民からの反対は許さない。すべて民主党野田政権が悪いことにできる。

 

所得税法における扶養控除がなくなって、今年の市町村民税が大きく跳ね上がって届いているはずだ。今後、電気、ガス、水道などの値上げがあれば、消費増税がなくとも消費税の支払いが増え国民負担率は上昇するから、五公五民の徳川吉宗の時代と同じになるのは時間の問題だ。国民負担率が40%になっている話は昨年からしている。すでに四公六民なのに五公五民、六公四民を確定させるのが、今回の「消費増税法案」なのだ。

 

解散するための方策だとしても「消費増税法案」を衆院で可決し参院に回した自民党・公明党は悪党である。

 

自民党・公明党が悪党の汚名を晴らしたいなら、参院で「消費増税法案」を否決し廃案としてから、衆院解散に追い込むべきである。