評論家・屋山太郎 JR北は破綻処理するしかない

2013.11.21 03:08 正論

 

 平成23年5月に石勝線で特急がトンネル内で脱線・炎上し、乗客79人が負傷する事故が起きた。これを機に、JR北海道の事故や不祥事が続発している。乗務員のアルコール検査を昨年まで組合側が拒否していた一事をみても、この会社の異常さが分かる。本社が現場に送ったとされるブレーキ部品について発送記録も現場が受け取った記録もないというのは、信じ難い“無政府状態”だ。<一部引用 産経 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131121/crm13112103080000-n1.htm

 


東日本大震災で岩手県、宮城県、福島県の太平洋沿岸を走るローカル線は壊滅的被害にあった。岩手県では僅かに復旧したが、宮城県、福島県では復旧は進んでいるとは見えない。

 

被災した市町村の町づくりに合わせて駅舎をずらすなどするために協議をしているのだそうだ。

 

JRになってから採算が合わない路線は切り捨て、それでも地域自治体が望むなら第三セクターで運営せよと高慢な姿勢だったJR。

 

地域活性化のため道路などのインフラ整備ではローカル線を跨がなければならないことがあるが、地方自治体はできるだけそうならないよう避けて通ってきた。それは、JRと協議をしても遅々として進まず、工事施工に当たってはJR側へ多大な費用を支払うからだ。それならば、もっと手間要らず、経費も削減できる道路の迂回を考える。かくして、日本の道路インフラは曲がりくねるのである。JRの職員の根性の投影ではないかと怪しみたくもなる。

 

津波被害のあった線路を高架にして以前にもましてより速く安全に市町村を結ぶという発想があれば、道路インフラはまっすぐなものになる。復興トラックもスピードアップできるに違いない。21世紀の鉄道屋は自分達の周りを取り巻く環境も見据えた広い視野が求められる。

 

東日本の復興の前にJRの思想の復興が必要に違いない。