フィリピンの台風被害で多くの人命が失われ、今も食料を求めて彷徨う人々が何十万人といる。

 

他国への災害救助、人命救助のシステムとして「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」があり、今回の台風被害でフィリピン政府の要請を受けて医療支援や後方支援のため50人の自衛隊員をJDR(Japan Disaster Relief team)=国際緊急援助隊として派遣したのだろう。

 

今日は1180人の自衛隊員に派遣命令が下されたと報道があった。日本の対応としては異例かもしれない。

 

さて、皆さんご存知TPPという言葉はTrans-Pacific Partnershipの略語だが、正確に言えばTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement (環太平洋戦略的経済連携協定)となる。この協定について国内で多くの議論がされてきているがその本質は国家、国民の抱える経済的な「損得勘定」である。

 

経済は各国の発展に重要なことではあるが、その基盤は人々の生活であり、人命の上に成り立っているのは当たり前のことである。しかし、議論から忘れられ軽んじられているのは人命である。人が安全に生活し、国家が安定していて経済が成り立つはずだ。本来TPPは環太平洋地域の互助関係の構築が深層になければ成り立たないものに違いない。

 

ところで、日本の防災システムは市町村の要請があって都道府県が動き、国が動くようになっている。東日本大震災では、市町村職員が直接被災し、通信も遮断されたため市町村からの要請が遅れ県の救援の初動態勢が遅れたという事実はあまり報道されていない。

 

今回フィリピンの大規模な台風被害でJDR(国際緊急援助隊)の派遣がフィリピン政府の要請を受けてから行われている。人命救助、災害救助を行うに当たって初動態勢の遅れがあるのではないかと怪しんでいる。

 

要請がなくとも大規模災害があった際はJDR(国際緊急援助隊)がすぐに駆けつけられるようなルール化の必要があるのではないだろうか。とりあえず歴史的に密接な関係のあるアジア地域ではTrans-Pacific Disaster Relief  Partnership Agreement(環太平洋災害救助連携協定 )が検討されてしかるべきである。

 

「損得勘定」の前に「人命優先」のもう一つのTPPが必要に違いない。